トレジャークラフト 代表/武田勝人
クラブやバッグの修理をはじめ、中古クラブの買取販売や新品の販売、シャフト単品での販売などゴルフ用品の販売から修理まで行うのが僕の仕事です。
クラブもシャフトもメーカーさんと直接取引をしているので、良いものを確かな目と技術で提供することができます。店舗ではなく車に器材や用品を積んでゴルフ場や練習場に行き、その場でお客様に対して販売や修理対応、アドバイスなどをしたり、練習場で実際にお客様のスイングを見てクラブを作ることもしていますので、夕方から夜遅くまで仕事していますね。
僕は18歳からゴルフを始めて研修生としてプロを目指していましたので、自分のゴルフ経験も生かしたクラブのメンテナンスやコーディネイトができるのが強みです。30年近いゴルフ経験と、スイングやフォームなどの理論、そして道具に関する知識でより良いクラブ作りをお手伝いしています。
中古ゴルフ販売店の店長として仕事をしていた時に、そこで単に買い取るだけ、売るだけといったスタイルに疑問を持ったことが今の仕事を始めたきっかけですね。クラブを買っていただいた後に、修理や調整が必要になることも出てきます。
修理したりグリップ交換したり、お客様の要望によってメンテナンスをしたりすることも大切だと僕は思っていたので、売り買いして終わりにはしたくなかったんです。お客様にとっては大切なクラブで、それをメンテナンスしながら使っていただくことで、お客様と僕との「人としてのお付き合い」が築かれていくわけですよね。
そこから、その方に合ったクラブを選んだり、腕前に応じて調整したりアドバイスしたりと楽しさが広がっていって、長いお付き合いになっていく。相手にしているのは道具ですが、やはりその向こうにあるのはゴルフが大好き、道具が大好きな「人」とのお付き合いなんです。
クラフトマンの仕事のほかに、今でもキャディとしてコースに出ることがあります。そんな時もクラフトマンとしての知識が生かせることは多いですね。お客様のクラブを見て「これいいクラブですよね」「すごいシャフト入れてますね」などと言うと、よく気づいてくれた!と喜んでくれる人が多いんです(笑)。それできっかけができるので、ラウンド中もお互いに楽しくなります。そういう意味で、コース以外のアドバイスもできるという利点が僕にはありますね。
クラブに詳しい人がいる、自分のクラブを知ってくれているというだけでもお客様は嬉しいものだと思います。自分の知識を上手に使ったコミュニケーションによって、いい情報も提供できて、お客様にも喜んでもらえる。ゴルフに関わる人間としてお客様を気持ちよくさせることはやはり大切なので、そこは今でも自分の中で基本ですね。
単に修理をするだけでなく、ゴルフクラブの勉強もしながら、人としてのコミュニケーション力も身につけて、最終的にはお客様にいかに満足してもらえるか、喜んでもらえるかを追求する。それがクラフトマンという仕事の最大の魅力だと思っています。